2026.01.28教育情報小学生中学生
最近、「AIがこれだけ発達しているのだから、将来はもう勉強しなくてもいいのでは?」という声を聞くことが増えてきました。
実際、ChatGPTをはじめとした生成AIは、文章を書いたり、質問に答えたりと、私たちの生活を大きく変えつつあります。
そうした変化を目の当たりにすると、
「これからの時代、子どもたちは何を学ぶべきなのだろう」
「今の学校の勉強は、本当に将来の役に立つのだろうか」
と、不安や疑問を感じる保護者の方も多いのではないでしょうか。
しかし結論から言えば、AI時代だからこそ、勉強はこれまで以上に必要です。
しかも、その答えは意外なほどシンプルなところにあります。
これからの社会では、AIとまったく関わらずに生きていくことはほぼ不可能になるでしょう。
仕事でも、学習でも、日常生活でも、AIを使うことが前提になる時代がすぐそこまで来ています。
ただし、ここで大切なのは、
AIは「考えてくれる存在」ではなく、「道具」である
という点です。
AIは非常に便利ですが、自分から目的を決めたり、何をすべきかを判断したりすることはできません。
あくまで、人が出した指示や問いに対して答えを返しているだけです。
つまり、AIがどれだけ進化しても、
を考えるのは、人間の役割です。
この「考える力」の土台になるのが、日々の勉強なのです。
ChatGPTなどの生成AIを使ったことがある方は、
「質問の仕方によって、返ってくる答えがまったく違う」
と感じたことがあるかもしれません。
生成AIは、とても優秀ですが、こちらの意図を察してくれるわけではありません。
やってほしいことを、言葉で正確に伝える必要があります。
これは裏を返せば、
がなければ、AIを十分に使いこなせないということです。
こうした力は、特別な訓練で身につくものではありません。
国語で文章を読み、要点を考えること。
数学で条件を整理し、筋道を立てること。
英語で意味を理解し、表現を選ぶこと。
学校で学んでいる一つ一つの教科が、実はそのまま「AIと対話する練習」になっているのです。
もう一つ、AI時代に欠かせないのが、AIの出した答えをそのまま受け取らず、見極める力です。
生成AIは、便利である一方で、常に正しい答えを出すとは限りません。
ときには、事実と異なる情報や、条件に合っていない答えを、もっともらしく提示することもあります。
そのときに必要になるのが、
まず、基礎的な知識・技能です。
自分の中に最低限の知識がなければ、その情報が正しいかどうかを判断することはできません。
次に求められるのが、
複数の情報や選択肢を比べ、筋道を立てて考える力(思考力・判断力・表現力)です。
AIの答えを参考にしながらも、「本当にこれでよいのか」「別の考え方はないか」と考える姿勢が重要になります。
そして最後に、
その情報をどう使うかを自分で決め、行動につなげる力(主体的に学習に取り組む態度)が問われます。
AIは判断の材料を示すことはできますが、最終的に選び、決断するのは人間自身です。
これらはすべて、学校教育で重視されている「学力の三要素」そのものです。
つまり、AI時代に必要とされる力は、決して新しい概念ではなく、
日々の学習を通して育てていく力と、完全に重なっているのです。
AIが急速に発達する中で、
「これからの時代、子どもたちは何を学べばよいのか」
と不安に感じるのは、ごく自然なことです。
しかし、AI時代に本当に必要とされる力を整理していくと、
それは決して特別なスキルや、流行の学習法ではありません。
これらはすべて、学校教育で大切にされている「学力の三要素」そのものです。
だからこそ、
何か特別なことを急に始める必要はありません。
小学生や中学生にとって最も大切なのは、
今、学校で習っている内容を一つひとつ理解し、丁寧に積み重ねていくことです。
その過程こそが、AIと向き合い、使いこなしていくための力を育てる練習になっています。
AIは便利な道具ですが、判断や決断まで代わりにしてくれる存在ではありません。
AIと正しく付き合うためには、土台となる学力が不可欠です。
勉強は、AI時代に「不要になる」どころか、
これからの社会を生きるための基礎として、ますます重要になっていく。
そのことを、ぜひご家庭でも共有していただければと思います。