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2025.10.11教育情報中学生小学生

スマホとの距離で集中力が変わる!家庭と塾でできる勉強環境づくり ーテキサス大学の実験が証明した「スマホを離すだけで集中力が上がる」理由

「勉強中にスマホが気になって集中できない…」そんな悩みを持つご家庭は多いのではないでしょうか。
実は、スマホを“持っているだけ”でも集中力が下がることが、テキサス大学の研究で明らかになっています。
今回は、その実験結果をもとに、家庭やナルゼミで実践できる「スマホとのちょうどいい距離のとり方」をご紹介します。


「勉強中はスマホを触らないようにしなさい」と言っても、実際に手元にあるとつい気になってしまうものです。
通知が鳴らなくても、「誰かからLINEが来ているかも」「SNSをちょっとだけ見たい」と思ってしまう。これは大人にもよくあることですよね。

では、子どもたちが自分の意志でスマホをコントロールできるようになるには、どうすればいいのでしょうか。
今回は、アメリカ・テキサス大学オースティン校の研究をもとに、家庭でも実践できる「スマホとの上手な距離のとり方」を考えていきます。

1. スマホを近くに置くだけで集中力は下がる

2018年、テキサス大学オースティン校のエイドリアン・ウォード博士らが行った研究(Ward, A. F., Duke, K., Gneezy, A., & Bos, M. W., Journal of the Association for Consumer Research, 2018)では、大学生を3つのグループに分けてテストを行いました。

A:スマホを机の上に置く

B:スマホをポケットやカバンの中に入れる

C:スマホを別の部屋に置く

その結果、最も成績が良かったのは「スマホを別の部屋に置いたグループ」でした。次が「ポケット・カバンの中」、そして最も集中力が低かったのは「机の上に置いたグループ」。

つまり、スマホを使っていなくても「近くにある」だけで脳がスマホを意識し、集中力が奪われてしまうのです。ウォード博士はこれを「brain drain(脳の消耗)」と呼びました。

たとえるなら、机の上にスマホを置いて勉強するのは、「テスト中に誰かが小声で自分の名前を呼び続けている」ようなもの。気になって、完全に集中することはできません。

2. ポケットの中でも脳は“待機状態”にある

では、ポケットに入れておけば大丈夫なのか?――実はそうではありません。

 

スマホが体に触れているだけでも、脳は「いつでも反応できるように」待機しています。

実際には通知が鳴っていないのに「いま震えた気がする」と感じたことはありませんか?

これは「ファントム・バイブレーション(幻のバイブ)」と呼ばれる現象で、スマホがポケットにあるだけで脳の一部が反応している証拠です。

 

つまり、ポケットに入れている状態とは、いつ呼ばれても立ち上がらなければいけない緊張状態

無意識のうちに集中のエネルギーを消費してしまうのです。

 

だから、塾で授業を受けるときも、ポケットではなく必ずカバンの中に入れるのがおすすめです。

「通知が気になる」「ポケットの中で光ったかも」と感じるだけでも集中が途切れます。

授業に入る前に“スマホをカバンの奥に入れる”という動作を習慣にしておくと、自然と気持ちの切り替えができるようになります。

 

先生の話を聞いている最中にスマホの重みを感じるだけでも、脳は一部のリソースをそちらに使っています。

だから、「授業=スマホは見えない場所に置く」とルール化するだけで、集中度が大きく変わるのです。

3. 家庭では「別の部屋に置く」を習慣に

家庭学習では、さらに一歩進んで、「スマホを別の部屋に置く」ことをおすすめします。

たとえば、

  1. 勉強を始める前に、スマホを玄関の棚やリビングの引き出しに置く
  2. 30分だけ集中する間、親にスマホを預かってもらう
  3. 勉強が終わったら5分だけチェックOK(タイマーで管理)

 このように「最初に離しておく」「終わったあとに見る」仕組みを作ると、無理なく続けられます。

 

ある中学2年生の例では、「勉強中にスマホを手放すのが不安だったけど、別の部屋に置くようにしたら、最初の10分が一番静かで集中できた」と話していました。

勉強に集中できる時間を少しでも実感できると、「意外とスマホがなくても平気だ」と気づくきっかけになります。

 

ナルゼミでも同じ考え方で取り組んでいます。通塾日以外の同時間帯には「Zoom家スタディ」というオンライン自習室を設け、この時間は“スマホを別の部屋に置く”ことをルールにしています。

この時間を活用している生徒ほど、家庭学習のリズムが整い、成績の伸びも安定しているのです。

 

つまり、「家でスマホを離す」「塾ではカバンにしまう」――この2つの習慣を続けるだけで、勉強の集中力は確実に変わっていきます。

まとめ

スマホは便利で楽しいツールですが、距離のとり方を間違えると集中力を奪う存在にもなります。

重要なのは、意志の強さではなく環境づくり

  1. スマホを近くに置くだけで集中力は下がる
  2. ポケットに入れているだけでも脳が“反応待機状態”になる
  3. ナルゼミでは「ポケットではなくカバンの中」
  4. 家庭では「別の部屋に置く」

親子で協力して、このルールを習慣化していきましょう。

勉強中にスマホを手放すことで、子どもたちは「自分の時間」を取り戻します。

その積み重ねが、やる気と集中力を生み出す原動力になります。

 

まずは今日から、「スマホを別の部屋に置く」ことから始めてみましょう。

静かになった机の上で、子どもたちの集中力が少しずつ戻ってくるはずです。

 

 

 

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